2017/10/22

「ブロークバックマウンテン」

非難されるかもしれないけれど、「タイタニック」が嫌い。「マディソン郡の橋」も。ただし、「風と共に去りぬ」は好き。
もともとラブストーリーはそれほど好きじゃなかった。若い頃オットと見た(見させられた)映画は黒澤明作品とかマカロニウエスタンとか「燃えよドラゴン」とか「2001年宇宙の旅」とかで。
でも、会社の先輩(女性)が映画好きでよく連れて行ってもらった時見たのは、「ある愛の詩」とか「ロミオとジュリエット」とか「ひまわり」とか「小さな恋のメロディ」とか「卒業」とか「サウンドオブミュージック」とかで、当時の若い女性の定番映画だった。
そんな中であの頃は同性愛モノも多少流行っていたのかな。タイトルは忘れてしまったけれど老画伯?と美少年が出て来たっけ。かなり詩的に美化されていた気がする。
実際は、偏見かもしれないけれど、またはテレビの影響かもしれないけれど(バラエティなどの扱い方がいけないんだ)、同性愛なんてなんかドロドロしてて滑稽で汚いと思っていたのは確か。今は世間でもだいぶん理解されるようになってきたけれど、まだそれでも・・・
ブロークバックマウンテン
イニス 「You know I ain't queer」
ジャック 「Me, neither」

「ブロークバックマウンテン」は最近レンタル店で借りて来た2005年制作のアメリカ映画。純粋なラブストーリーだった。今まで見た映画の中でたぶん一番胸をかきむしられたように感じた。5回繰り返して見てビデオ返して、その後1週間経っても余韻をずっと引きずっている。泳いでいても車に乗っていても夜寝る前にも夢の中でも今でも。
それが同性愛が忌み嫌われていた頃、1963年から20年間のアメリカ中西部の成人男性二人のお話。封切り当時話題になったらしいので見た人いるでしょうけど、やるせない、どうしようもない時代背景、世間体を気にし感情を押し殺し結婚もして生活に追われる主人公の葛藤はほんとにじれったい。ブロークバックマウンテンでの放牧中、一線を越えてしまった後に自分の持ち場に戻ったら、羊がコヨーテにやられてさらし物のように無残に仰向けで転がっていたシーンは、主人公の子どもの頃のトラウマと重なる印象的なシーンだった。
演じているのは今は亡きヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールで、二人ともこれが適役としか言いようがない。
そもそも、なんでこの映画にたどり着いたかというと、しばらくSFモノにはまっていてその中に「ミッション8ミニッツ」という面白い映画があって。主人公がギレンホールだった。
そのギレンホールの長い顔と下がり気味の太い眉とグレーがかった青い瞳の大きな目で画面全体が埋まるシーンが最初だったのでインパクトがあり過ぎ、「濃い俳優だなあ」と思ったのが第一印象。しかしお話が進んで、生命維持装置に横たわるギレンホールの目を閉じた横顔を見ていたら「なんかめちゃめちゃ色気のある俳優じゃないか」と思っちゃって。気になって出演した映画を調べてみたのです。
そうしたらこの映画。やっぱりね。この人しかいないでしょ、という感じでした。若いから肌もきれい。画像はそのイメージ。少女漫画風になってしまったけど、映画では伏し目がちな横顔がたくさん出て来る。
でも、ギレンホールみたいなのが相手としてもう一人出て来たら、多分いやらしく思えちゃう。相手が、若くても渋い寡黙な(役の)ヒース・レジャーなのがこの映画をいやらしく見せていない。ヒース・レジャー演じる主人公イニス、とても良かった。抑えたつぶやくような低い声が、感情をあらわにするジャックと対照的。28歳で亡くなっているなんて残念。
お互いの奥さんに秘密で友達と魚釣りと称して年に数回二人だけの山で逢瀬を重ねてしまいますが、(これって不倫?)確実に純愛映画です。(TSUTAYAではドラマの棚に)。一人こっそり見て涙・鼻水何回拭いたやら。こんなもやもやしたやり切れないラブストーリーは私の見た数少ない中で今まであったんだろうか。切なすぎるけどラストは少しだけ救われます。この先、他のラブストーリーは見ても感動しないでしょう。もっとも、もうそんな歳ではないのだし。
今もブロークバックマウンテン(実際には架空の山)であの時代のままの二人が生きている気がする。そういう映画でした。
お絵かき・ビデオ・映画 | Comments(0) | Trackback(0)
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