2009/07/19

うなぎの日

ウナギといえば子どもの頃。
夏の夕方、仕事を終えて帰ってきた父は夕飯前に家の前を流れる川に出かけ、鮎釣りや「タクリ」と呼んでいた漁をよくしていました。
その他にもうなぎの「置き針」というのをシーズンに5,6回くらいやっていて、私も何回かは一緒に付き合ったことがあります。
そのやり方ですが、まず昼の間に子どもである私や妹が近くの田んぼへ行ってドジョウを生け捕りにしてきます。ドジョウの獲り方は簡単で、泥をざるにすくえばたいてい何匹かは入ってきます。10匹あれば充分です。
そのドジョウを、夕方仕事から帰ってきた父が大き目の針に挿して行きます。糸は1mくらいのタコ糸で、近くの製材工場から取ってきた木材の木っ端に結んで巻きつけます。木っ端にはマジックで番号がふってあったのを覚えています。
カゴに入れて川に行き、流れのよどんでいる岩の下にエサのついた針を入れておきます。糸を巻きつけていた木は、岩の上に乗せて動かないように石で固定します。どこに仕掛けたか目印にもなります。これで本日はおしまい。
翌朝、ラジオ体操がまだ始まらないうちに川に出かけ、夕べの仕掛けを回収するのです。10本の仕掛けのうちたいてい二回に一回の割合でうなぎが引っかかっていたような気がします。
1本だけ仕掛けてみろと言われて、父の教えられたとおりにいそうな場所を選んでやってみました。何かが掛かっている感触がありました!大急ぎで父を呼び引き上げてもらいました。怖かったので。
掛かっていたのはウナギではなく、「アカモツ」と呼ばれる鮎くらいの大きさのザッコ(雑魚)で、食べても美味しいものではなかったらしく、その魚はぶつ切りにされてさらに翌日のウナギの「エサ」にされてしまいました。
(この「置き針」にはウナギだけでなく、ウナギ同様に貪欲なナマズもたまに掛かったりしていました。ある時は亀が掛かっていて、甲羅をひっくり返すと「何年何月何日」という日付とともに、隣のお兄さん、「シゲキ」君の名前がしっかり彫られていた事もありました。)
捕ってきたウナギはその日の夕食になります。
ウナギをさばくのは父の仕事です。まずウナギが動かないように頭に釘を打って固定します。ウナギは板の上でクネクネのたうち暴れまくりますが、腹を割かれたらあとは大人しくなります。
母が作ったタレを何回か刷毛で塗りながら、炭火の上で父が焼いて行くのです。山間の涼しい夕方とはいえ、この作業は汗が滴ります。
ウナギの日
そんな父の日焼けした横顔を思い出し、今夜は豪勢に「うな丼」にいたします。最近の国産ウナギって高いんですよね。
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